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動物看護学部は、動物医療や公衆衛生に関する基礎的知識や、 コミュニケーション能力を身につけるため心理学や社会学などを学びます。 これらをふまえ、多角的なアプローチによって 「人と動物の豊かな共生社会とは」を探求します。
2024年10月1日更新
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犬の皮膚病の発症には、皮膚細胞のバリア機能低下が関係していることが多くあります。特殊な機器を使わずに皮膚バリア機能を評価する方法や低下したバリア機能を改善する方法について研究していきます。また、消化管で病原性があると考えられる細菌や原虫について、犬・猫での保有状況を年齢や飼育環境とともに調査する研究や、様々な病気に影響することが示されている腸内細菌叢についての研究も実施していきます。
犬の皮膚バリア機能評価や犬・猫の消化管内に生息する原虫と細菌について研究。
「犬の簡易な皮膚バリア機能評価法に関する検討」 「犬・猫の各種疾患と腸内細菌叢」 「犬・猫の口腔内からの病原性微生物の検出」
病気ではないのに血液検査の値が異常を示すことがあります。例えば、ある酵素は、骨の成長期に異常高値となります。また、免疫グロブリンと血中で結合することで異常に低い値になる こともあります。いずれも電気泳動法という特別な分離・分析技術を用いることで解明できます。この他に、採血時に掌をグーパーすると筋肉からカリウムが出るので高値を示します。これらのように、健康でも異常な値になるケースは動物でもあり得ると考えます。
臨床化学が専門で、管理栄養士養成学校の学生に摂取栄養素と病気の関係を実験や講義で指導。
「毛細管採血によるABO 血液型判定における検体前処理方法」 「口腔および皮膚上皮細胞のプレパラート簡易作成法」
犬や猫は、攻撃する、過度に怖がる、など、家族との生活やヒトの社会と協調しない行動(問題行動)を示すことがあります。このような状況は、人にも動物にも大きな負担となる為、問題行動の予防と対応が重要です。当研究室では、犬と猫の心理的ストレス、問題行動について学びます。犬猫、及び犬猫と暮らす家族の両者の心に寄り添い、その健康と幸せに貢献できる専門家となる為、知識と技術の向上に取り組みます。
犬と猫のストレスに配慮した診療、及び問題行動の 予防・治療を専門とする。人と動物の両者がより快適 で幸せに過ごせるようになる為の教育、研究を行う。
「保護動物のストレスの客観的指標を用いた評価」「パピークラスの問題行動予防における有効性評価」「キトンクラスの効果と有効性評価」「犬の飼育前カウンセリングの効果と有効性評価」「犬の認知機能不全症候群(認知症)の評価方法の比較」
医療は「なんとなく良さそう」ではなく、実際にどれだけ良いのかという根拠(エビデンス)に基づいて行われるべきものです。当研究室ではその評価に用いられる疫学を駆使し、臨床現場に求められるエビデンスの創出を目標とします。特に、動物の医療も獣医師だけでなく、愛玩動物看護師を含む多職種、そして飼い主の方々が連携してより良いケアを達成するチーム医療の時代になってきましたので、適切な連携に求められる心理に注目しています。
犬猫の診療を行いながら、感染症やコミュニケーションについて研究。
「動物の疾患に対する原因帰属を評価する心理尺度の開発」 「新型コロナウイルス感染症によるペットの行動および飼育環境への影響」 「犬猫の飼い主における抗菌薬に対する服薬・再診コンプライアンスの予測因子の探索」
動物の骨格標本作製を通して骨格の成り立ちを観察し、その構造の意味を理解することにより、生体の運動機能の本質を探ることを行っています。例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ウマなどの走る動作・姿勢を比較してみると、それぞれに固有の特徴がありますが、そこにはその動作を起こすための特徴的な骨格の構造があることに気付かされます。骨を観察していると、とても興味深いことがたくさん見えてきます。
比較形態学、心臓発生学を専門とし、動物の骨格標本作製を通して体の仕組みを学生に指導。
「骨格標本作製」~ビーグル、タヌキ、アナグマ、ハクビシン、アライグマ、ミシシッピアカミミガメなど~ 「透明骨格二重染色標本作製」~ネコ胎仔、タヌキ胎仔、ミシシッピアカミミガメの幼態、魚類、爬虫類など~
動物の長寿高齢化に伴い、加齢による慢性疾患にかかるペットが増加しています。このような病気は完全に治ることは無く、治療期間は数年に及ぶ場合も少なくありません。通院や自宅での世話など、飼い主の負担は大きく、動物医療の専門知識を持った動物看護師によるサポートが効果的だと考えています。現在、様々な慢性疾患のペットの飼い主がどのようなサポートを求めているかについて調査しています。
獣医師の視点から動物看護学に関する教科書を執筆。 <教育・研究業績はこちら>
「慢性腎不全の薬剤療法 ─動物看護師の役割について─」 「慢性疾患のペットを持つ飼い主の治療継続のためのサポート」 「動物の腫瘍疾患における動物看護師の役割─啓蒙活動を中心にして─」
心臓や血管などの循環器形態の発生を中心に研究しています。心臓は体の中で最初に働く中胚葉由来の器官で、その構成は心筋が30%を占め、70%は他の細胞が関与します。私たちは最近、これまで心臓とは関係がないと考えられてきた細胞が心臓形成に関わることを明らかにしました。本研究室ではイヌ、ネコ、カメ、リス、チーターなど様々な脊椎動物についての発生、進化、生態そして病態について幅広く研究を進めています。
心臓・血管発生などの循環器発生学が専門分野。
「3D プリンターと医療の発展」 ※協力: ER 八王子動物高度医療救命救急センター 「ウマの生態と疾患について-現在のウマになるまでの進化過程と他動物との比較-」 「クラゲの不思議な生態について-ミズクラゲ3匹の飼育体験とともに学ぶ-」 「カエルツボカビ症について」
国立医薬品食品衛生研究所での実習等を通して、動物の飼育・管理の実際を学びます。さらに種々の精密測定機器から得られた生データの集計・解析を行い、実験動物を用いた生物試験データの解析方法や、安全性評価に係る論文の抄読会を行い、動物実験により得られる血液学、血清生化学、病理組織学的パラメーター等の安全性評価指標について探究します。将来、実験動物技術者資格の取得も視野に入れている学生はぜひ動物病理学研究室へ。
日本獣医病理学専門家、日本毒性病理学会認定専門家。毒性病理学、実験病理学を専門に研究。
「ラットを用いた90 日間反復投与による2-メチルフランの肝毒性・発がん性の検討」 「発がん物質休薬後のSox9 陽性細胞を内在するGST-P foci の動態」 「マウス結節性再生性肝細胞過形成内の肝類洞内皮細胞の分布」
3 歳以上の成犬の約80%が歯周病をもっていると言われていて、口腔内の疾患は口臭や食欲減退などQOL(生活の質)低下の原因になるだけでなく、血液を通して有害な菌を全身に広げることになります。口臭や歯石沈着により動物病院を受診するケースがありますが、その時点ですでに歯周病に罹患していることが多く、未然に防ぐことが重要です。動物口腔ケア研究室では、歯磨きの有用性を科学的に分析し、愛玩動物看護師による飼い主への歯磨き指導に活かせる研究をしていきます。
病気予防を目的とした口腔ケアについて研究。 <教育・研究業績はこちら>
「イヌの口臭─イヌ特有の口臭原因物質について─」 「犬のデンタルケア商品の比較」 「口腔ケアに対する飼い主の意識調査」 「心疾患の犬の歯みがき」
動物看護という特定分野の英語として、英語で書かれた様々な資料をコーパス化し、実用英語能力を修得することがテーマです。「英語」を学んだ中学、高校時代から、大学では「英語で」学ぶことが求められます。今後、愛玩動物看護師が学ぶべきESP(English for Specific Purposes)の研究を一緒に進める中で思考力を培い、愛玩動物看護師に必要な知識を英語で学ぶだけではなく、動物看護現場での問題解決能力、コミュニケーション能力を養うことを目的としています。
少人数制のわかりやすい英語教育を行う。 <教育・研究業績はこちら>
「動物看護師のための英会話表現 ─アンケート調査から提案される動物看護師のための英会話表現─」 「ルーマニア活動報告書ールーマニアにおける野良犬問題」
イヌの早期肥満に関連した新しい血中バイオマーカーを明らかにするために、分子生物学的手法(遺伝子解析や生化学解析)を用いて解析しています。近年、愛玩動物看護師が臨床現場で担当する臨床検査の比重が高まりつつあります。専門家として論理的に考える能力を習得できるよう、実習や卒業論文を通してサポートしていきたく思います。
肥満に関連した代謝異常を早期にとらえる血中バイオマーカー開発。 <教育・研究業績はこちら>
「うさぎのポルフィリン尿の臨床検査」 「ネコの腸内内細菌叢解析」 「ドライおよびウエットフードがネコの腎機能に及ぼす影響」 「高カルシウム血症を呈した犬の看護」
イヌやネコが快適な一生を全うするために、動物医療は大きな役割を果たします。その中でも、獣医師と共にチーム医療で活躍する「愛玩動物看護師」の動物と飼い主に寄り添った視点や考え方は必要不可欠です。当研究室では愛玩動物看護師の視点からイヌとネコの疾患予防として、臨床栄養学におけるフードや水分摂取に関する研究、動物看護学教育について研究しています。
認定動物看護師として犬猫の栄養や動物看護学教育について研究。 日本動物看護学会 常務理事。 <教育・研究業績はこちら>
「イヌの高齢期用フードの市場調査」 「ネコ用ウェットフード(一般食)の主原料調査とマグネシウム含有量測定」 「ネコの水分摂取に関する研究」
鼻ペチャ(短頭)で呼吸が困難、視覚聴覚の確保が困難なほど毛が伸びるなど、多くのイヌ品種(犬種)が抱えるリスクに注目し、そのリスクに対応するためのケア方法を研究しています。また大規模災害時に被災ペットが被るリスクを軽減するための取組も研究テーマにしています。ペットが生きるうえで避けることのできない負担の軽減を目的とした研究室です。
動物看護師の知識と技術を活かしたグルーミングのスペシャリスト。健康管理を含めた手入れの重要性を説く。
「イヌ洗浄時の浴槽内温度環境」 「ペット防災グッズ調査」 「ドライヤーの騒音計測」
動物病院には様々な思いを持った飼い主がペットと一緒に来院します。飼い主の不安や心配な気持ちに寄り添い、動物の健康状態を理解することは動物看護師にとって大切な役割です。この研究室では獣医師、動物看護師、飼い主、動物間での様々な関係性について調査し、飼い主とペットの生活を支えられる信頼関係の作り方を考えます。そして実際の臨床現場で活用できるような動物看護研究を目指しています。
大学附属動物病院での勤務経験を活かし動物看護に関わる研究を行う
「動物看護師と飼い主の信頼構築に必要な要素」
ペットである猫、犬を中心に動物の行動指標と血液検査などの生理指標の両面からアプローチした研究を行っています。当研究室では、動物に配慮ある社会や仕組みを目指して、飼い主のいない動物に関した野外調査や、飼い主と犬をマッチさせるための行動評価テスト等をテーマに取り組みます。愛玩動物看護師としてペットをどう扱うか、どう配慮すればいいかを、一緒に調査や研究をして明らかにしましょう。
動物の Quality of life(生活の質)に着目し、研究する。 一般社団法人日本動物看護職協会 理事。
「猫に配慮した地域猫活動の効果の検討」 「譲渡時の犬の行動評価テストに関する研究」 「屋外にいる猫の個体数調査」 「日本の動物保護団体・施設の実態調査」 「飼い猫、保護猫における福祉状態の比較」 「野良犬に対する意識調査」
イヌがコンパニオンアニマルとして一般家庭に受け入れられている今日では、グルーミングの技術や道具の進歩は日進月歩といえます。しかし、グルーミングの効果が技術者(グルーマー)の感覚により評価されている部分が多く、科学的な根拠に乏しいのが現状です。本研究室では、グルーミングをテクニックだけでなくサイエンスとして捉え、「効果的なグルーミング」をテーマに研究を行っています。
技術指導の実務経験を活かし、被毛ケアによる健康管理、イヌへの負担軽減をめざす。
「ブラッシング時の水分噴霧が静電気の抑制に及ぼす効果」